ただ待っているだけなんだから。
待っているだけで、男がやって来る程、容姿がいい訳でもない。
「智ー、」
そんな声に反応して振り返る。
智・・・・・・。
同じ学年の・・・、あっクラスどこ何だろ?
何かよく分からないけど。
オーラがあって。
格好いい。
きっとモテるんだろうな、
って。
いつもみたいにそう、
思いながら、智と呼ばれるその人に視線を向ける。
何度見ても、格好よくて。
また見てるだけ。
なんだけど。
そういえばこの前、みのりが言ってたっけ。
『見てるだけじゃ、何も変わらないよ、』
って。
そんなの・・・・
私が一番よく分かっている。
でも恐いんだ。
前に踏み出すのが、
嫌われてしまう事が。
怖くて仕方ないから、