お母さんはお母さんで、私の彼氏が白石冷だって言ったときから気づいてたはずだ……。


冷の名字はお父さんの名字のはずで、その名字は元旦那の名字なんだから。


冷なんて名前も、そんなにいない。


ましてや同姓同名なんて。


「全部…気づいてたんだね……。お母さんは……」


知ってた上で、気づかないフリをして、私たちの交際を認めてくれていた…？


そんなことある？


私は冷のことを暴走族だと教えた。


それを理由に反対することだってできたはずなんだ。


「そうかもしれないとは思ってた……。でも、冷本人の顔を見るまで信じてなかった。信じたくなかった」


……それで、私が目を覚ました後、急に別れろって言ったんだ。


信じたくなくても、私と冷は兄妹だから。


愛し合うことはいけないことだから。