「……721号室です。こちらがルームキーです。何かあったらお呼びください」


気まずい空気が流れる。


「行くぞ」


冷は、秘書さんに会釈すらせずにスタスタ、エレベーターの方へ歩いていく。


私も、あわててその後を追った。


「……」


エレベーターの中で不機嫌オーラ丸出しの冷。


何となくこうなるんじゃないかとは思ってたけど。


「ねぇねぇ、部屋に荷物置いたらどこ行くの?」


なるべく楽しい話をしよう。


せっかくの旅行なんだから。


冷もそう思ってるのか、不機嫌オーラが半減した気がした。


「教会」


「あ、私がウエディングドレス着るんなら、冷もちゃんとした服着てね!」


「はいはい」