関係者出入り口らしきところから出てきた男性が、冷に声をかけた。


冷〝様〟か。


御曹司なんだなぁ。


冷は…。


「お待ちしてました」


「……。アイツらには関わるつもりねぇからな」


この人が、前言ってた秘書なのかな?


ピシッとしたスーツに、礼儀正しすぎる振る舞い。


冷が何を言おうと表情1つ変えないところ。


何となく、秘書っぽい。


秘書というより、執事だよね。


雰囲気が。


「そのことですが─」


大切そうな事を言おうとした秘書さんを、冷は強引に遮った。


「あんなヤツら、家族でも何でもねぇよ……。アイツらに関わらせんな。部屋どこ?」