「あの女は、俺と親父が大切にしてた写真や、母さんからもらった物とか、全部捨てた。


あの女は、〝いつまで昔の女の写真飾ってんのよ。あなたの妻はこの女じゃない。私なのよ〟って親父に言いながら、俺のもんまで全部捨てやがった。


それだけなら、別に我慢すりゃいい話だ。


けど、あの女はどんどんどんどん白石家を支配しだした。


〝私がこうしてほしいって言ってるんだから、言うこと聞きなさい〟とか、〝あなたの母親は私よ〟とか言って。


俺は、それがムカついてたし、あんなヤツ大嫌いだった。


けど、親父は違った。


あの女の言うことが全て正しいって思い込んでる。


〝穂純がこうしろって言ってるんだから言うこと聞け！〟って俺に怒鳴るようになった。


自分勝手に振る舞った挙げ句、あの女は何人もの別の男と寝てたんだ」