「俺の過去の話すっから聞け」


冷は、私が座ったのを確認してから、話始めた。


「俺さ、小6ぐらいまで、父子家庭だったんだよ。


突然、親父が一人の女を連れてきた。そいつは、なんとか穂純って名前でさ。


それからすぐ、ソイツは俺の母親になった。


俺、ちっせー頃からお父さんっ子だった。


スゲー優しくて、ずっと笑ってる明るい父親だった。


親父が父親だってことが誇りだった。


親父さ、別れたクセに俺の本当の母さんの写真ずっと飾ってたんだよ。


別れた理由は教えてくれねぇけど。


仲が悪くて別れたわけじゃねーんだって。


多分金銭的な問題とか、いろいろあったんだろーな。」


で、その写真、親父も俺も大切にしてたわけ。


母さんが映ってるから。


それを、あの女は全部捨てた」