「やだ…」


無意識に、冷の手をつかんで引き留めていた。


「愛?」


「……なんでもない…。ごめん、忘れて。お風呂行ってくる」


……離れてほしくないってすごく思った。


別に、今日が永遠の別れの日なわけじゃないのにね。


会おうと思ったらいつでも会えるのにね。


「…そこ座れ」


冷は、アゴでソファを指して言った。


「何で?お風呂入りたい…」


「いいから座れ」


何か、怒らせるようなこと言った?