……それでこの病室がわかったんだ。


「まぁ…」


貧血?って聞いてくれて助かった。


いい嘘が思い浮かばなかったから。


悠里にも貧血ってことで通そう。


嘘をついてることに心が痛むけど、不治の病なんて言えないよ……。


「ふーん……。そのわりに顔色普通だな」


ドキ…と心臓が羽上がる。


嘘ってバレてる……?


冷の、何でも見透かしてそうな視線が今ほど嫌に感じたのは初めてだ。


「そんなに酷くないのか?」


……バレてない…。