どうして……

どうして?



「意味わかんないよ……っバカ……‼」



「……バカは、そっちでしょ。
いきなり大声出してきて」



「へ……っ」



突然頭の上で声が聞こえて、あたしは思わず勢い良く起き上がる。

視線を、そっちに向けると。




「……生嶋くん、何してるの?」



「何してるの、って……
俺が先に寝てたんですけど?」



少しだけ眠そうな、そんな声で生嶋くんは呟く。


──そう言えば、生嶋くん、教室にいなかったっけ。

それじゃあ、まだ話は聞いてない……?




「珍しいな、アンタがサボりって」



「え、……いや、あの……」



「教室、居づらいもんな」



……なんだ。
生嶋くんも、もう知ってるんだ。