「……あ、忘れてました‼
ドレスの採寸をするみたいです」



見つめ合って、笑い合う二人の姿。

どうしてあたしは今、二人のこんな姿を目の前で見ているの?



「香乃華、次職員室行かなきゃいけないんだろ?場所わかんないだろうし、連れて行ってやるよ」



「本当ですか?
ありがとうございます」



そんな会話を交わしながら、あたし達に背を向けた──二人。

あたしは思わず、口を開いていた。




「……東條っ」



あたしの声に、東條がゆっくりと振り向いた。その目は、まっすぐにあたしを見つめている。




「……東條、なんで……」

「ごめん、蘭」



あたしの言葉を遮り、東條の声が響く。

東條はあたしの目を見つめたまま、もう一度口を開いた。