いつもの授業、いつもの景色、いつもの人…

いろんなことにうんざりしていた

「のりかー!教科書貸してー!」

隣のクラスの珠理(じゅり)が呼んだ。

「いいよ~!ちょっと待ってて」

私が教科書を持って 珠理に近ずいた。

「ねぇ、のりか このクラス 顔偏差値高くない?」

顔…偏差値……??

考えたことないことを言われた。

「なに? 気になる人でもいるの?」

「あ、ううん…えっと〜…」

珠理がなんとも言えない顔で言った。

「その~… 花江くん…なんだけど…ちょっと…いいなぁって…」

花江 幸助(はなえ こうすけ) まぁ…このクラスではイケメンに属する人だった…

「そうか~…珠理もそんな歳になったのか~」

私は、ニヤっとして珠理をみた

「もー! またそうやって!!」

「ごめんごめん~笑」

「珠理が、そう言うなら 私は応援するよ。」

私は羨ましかった。

このつまらない日常の中に “好きな人”という人がいるだけでどんなけドキドキするんだろう。

だけど…珠理は……

「ごめん、おれ、お前のこと…そんな風に見れない告白してくれたのは嬉しい。ありがとう」

少し肌寒くなった時 珠理は花江幸助にそう言われた。

私は何も言えなかった。

「珠理…大丈夫??」

「うん! のりかは優しいね~!大丈夫だよ!次の恋…しなくちゃダメだね…」

「そう。」

ほら。恋なんかしてもいいことない…自分が傷つくだけで、相手はこれでおしまい。

「…りか! の…りか! のりか!! 前!犬の糞!!!」

「えっ!」

ムニュ…

「えええええええええ!!!!」

私は大声で叫んだ。珠理が隣で大爆笑している。

「えっ!これ…えええええ…」

慌てるしかない…なんとも言えないこの感じ…

「うるさ」

後ろから声がした…

あん?お前っ!この現状わかってのか!!
私はこころの中でそう思った

「犬の糞踏んだくらいで騒ぐなよ…」

憎たらしい顔でこっちを見てきた。

「すみません…」

なんでこいつに謝らなくちゃいけないの!
…騒いだ私も私だけど…

「あ!奥寺(おくでら)!」

「え?珠理の知り合い?」

「うん!わたしのクラスの奥寺 拓也(おくでらたくや)くん!」

「おお、お前の知り合い?」

あの、にく☆たらお が何か言った。

「うん、そだよー」

「あんまり騒ぐなよ。迷惑」

「うんー ごめんね」

「じゃ、俺帰るわ」

「うん バイバイ~」

にく☆たらお は帰っていった。

「じゅーりー!!あんなのと友達なの!?」

「うん!友達だよ~」

珠理はケロッとしていた。