そして、そんな君と同じクラスになれた奇跡は、一生分の喜びの半分を使ってしまったような幸せだった。
クラスに入り、自分の席を探す。
『おはよう！！』
去年同じクラスで、クラスのムードメーカー的存在だった瑠衣が話しかけてきた。
明るくて笑顔が素敵な瑠衣は男女関係なく人気者だった。
『おはよーう！』
私も笑顔で挨拶を返した。
他にも数人去年同じクラスだった子が居た。
ちょっと安心した気持ちになる。
『ねえ、そこ邪魔。』
えーっと、誰？
振り返るとそこには無愛想な顔の男が1人立っていた。
『あれ？ここ私の席じゃ…？』
『あんたの席はそっち。』
指をさされた隣の席を見ると確かに自分の出席番号が書かれていた。
『ごめんなさい！』
慌てて席を移動する私を見て、彼は何も思ってないのか無表情のまま席に着いた。