次の日の放課後。
美陽と悠琉は一緒に下校していた。
校舎から出て校門に歩いていく。
美陽が悠琉と話していると、校門が騒がしいことに気が付いた。

「何でしょうあれ」
「ん?どれ…」

校門の外に学校の生徒と他学校の生徒が群がっているのが見えた。

「…!」

美陽は群れの中の中心にいる人物に気が付いた。

「悠琉さん。裏から帰りましょう」

美陽は悠琉に耳打ちをする。
悠琉は不思議そうな表情をした。

「どうして?」
「あそこの真ん中にいるのが、私のいとこの楽なんです」

少し大きくても聞こえないだろうが、美陽は小声で話す。
すると悠琉は美陽に言った。

「だったら、いっそのこと。美陽の悩みを解決してしまおう。ずっとモヤモヤしてたんでしょ?」

美陽は図星で何も言えず只々俯く。

「大丈夫。俺が一緒にいるから」

悠琉は美陽にぼそっと囁くように言った。
美陽は顔を赤くして顔を上げることが出来なかった。