「先輩……海斗さん、もしかして相葉先輩に遠慮して、私と会わないようにしてたの?」


仰ぐ私を見下ろす表情から正解と読み取れる。


「……相葉が、完全に美愛と決別するまで、出来る限り美愛と会わないようにしようと決めてた。気付かれないのは、まだ時機じゃないから……そう騙し騙しできた。来春に相葉の幸せ見届けたら全力で美愛を奪いに行くと決めてたけど、本音は"今すぐ入籍しろ!"だった。とにかく相葉の幸せの為には、俺達ふたりが幸せになるのも重要。でもそれ以上に、俺が美愛を幸せにしたくて堪らないんだ。……誕生日まで後一分」


左後方のベッドサイドテーブルの時計をチラ見して、嬉しそうに笑ってキュッとしてくれるのが、嬉しくて幸せで泣きたくなる。