でもベッド右の窓際に誘導されホッとするのも束の間、背後から肩回りをキュッと抱き寄せられ左手はウエストに回される。

先輩は、乾いたばかりのほのかに甘い香り漂う髪に頬を埋めると、もう一度私の存在を確かめるように力を込めてくる。


「……いい香り……俺と同じだね。……綺麗だね」


甘い囁き声での言葉に、壊れそうなほどのドキドキと胸キュンのW攻め。

逃げ出したくなるのをグッと堪えながらも、同じ香りとバスローブを身に纏う喜びにそっと目を瞑り幸せ噛み締める。


「……あれ? 無反応? やっぱ直で見たかった?」


「え? ……あっ! すっご~い! 凄い凄い綺麗!」


後ろから覗かれ我に返ると、眼下の広々としたスカイデッキ一面の色とりどりの光の競演に目を奪われ感嘆の声をあげた。