「ありがとうございます。……では入ります」


「ごゆっくり」


ドアが閉められた直後に力が抜けその場に座り込むけれど、先輩の私への想いを胸いっぱいに感じて私の内側に勢い良く恋の炎が燃え盛る。

……もう後戻りなんて出来ない。

ううん、したくもない。

海斗さんから離れたくない、一晩中そばに居たい。

海斗さんの腕の内でたぎるような愛を感じながら二十八を迎えたい。

強く強く先輩への想いが燃え立ち始めた私は、すぐに気合いを入れて立ち上がり入浴の準備を始めた。



約四十分後、全てを終え緊張しながらリビングに入ると、茶色の革のソファーに座っている先輩はすぐにテレビを消し、手招きして右隣に座るよう指示してきた。

そして用意してくれていたミネラルウォーターを3分の1飲んで一息付くと、すぐ私の手を取りベッドルームに歩き出し心臓が勢い良く前に飛び出した気がした。