そう……この胸の中にいるのは、もう類でも課長でもなく先輩だけ。

いつの間にか先輩との時間が、何よりも愛しくて大切で、先輩が傍に居てくれるだけでこんなにも幸せ。

……でも明日の今頃は、傍に居ないどころか、日本にさえ居ない。

きっと遥か遠くの上空にいて、私からどんどん遠ざかって行く。

……この温もり感じていられるのは、後どれくらい?

やっと安心して、先輩の温もりを感じてもいい……
そう思ったのに、次にこの腕に包まれるのはいつ?

きっと誕生日もクリスマスもふたりで過ごせないよね?

……寂しい……悲しい……。

でもそれでもいい。

またこの腕の中に戻れるのなら、もう他の誰の腕もいらない……。

私は、心の底から本気でそう思った。