「……別れたの? 彼は何て?」


「……すぐ拒否しまくりにしちゃったんで。でも私達とっくに終わってますから。もうずっと前から、このまま彼といても意味ないってわかっていながら、逃げてたんです。でも先輩に再会した日から…………どうぞ、出て下さい」


「ごめん……はぁっ……社長だ」


話の途中で、先輩のジャケットのポケットから着信音が流れ出すと、プチ溜め息付きながら私から離れてシートに座り直した。

そして携帯を取り出すと、心底面倒くさそうに出る。

……あ! どうしよう?

今から最寄りに降ろしてもらっても八時には着けない。

……仕事と社内恋愛の両立なんて、やっぱ私にはハードル高し!

でももうすぐニューヨークに戻っちゃうよね?