「即消去」


オデコを付けたまま左右に振ってみせると、先輩はすぐに離れて至近距離から私を強く見つめてきた。


「業務命令!」


「嫌! 今は、ブライベートだし、絶対に忘れたくないから。……ありがとうございます。今の中途半端な状況で、あんなふうに言ってもらえるなんて思ってもみなかった。先輩は、真面目で誠実だから中途半端は絶対嫌いで許せないと思って、早くケジメ付けたい。そればかり考えてました。……私も今日一日、先輩が帰って来るの心待ちにしてました。だから先輩の本音聞けてもう凄く凄く嬉しいです。もう嬉しくて堪らない。……全然カッコ悪くなんかなかったですよ。でも……喜んで責任取ります」