私は、これ以上険悪ムードは嫌と思いながらも、つい先輩の目線と反対側を睨むように見て唇を尖らせてしまう。

……告白されたいのもキスしてほしいのも先輩だけなのに、なぜこんなことに?

……って自業自得。

まだ素直に好きと言えない中途半端な状況のくせに勝手すぎる。

でも先輩らしくない言動の数々は、理性吹っ飛ぶくらい私を好きでいてくれる証拠……そう信じたい。

ふと泣きたい気分で横を向き視線を上げると、目の前で不安げに揺れる瞳にぶつかり、あっという間に悲しみが二粒滴り落ちてくる。