そんな私に気付いた先輩は、ムッとして再び私を目の前から睨むが、すぐに恥ずかしそうにまた視線を左にそらした。


「君ってほんと隙だらけ……好きでもない男の前で、簡単に涙見せるなよ。しかもサロンで告白なんてされた上に……有り得ない。……はぁっ……」


"キスされそうになるなんて……"

そう言いたげなのがありありと伝わるが、私は今の言葉に思い切り反論したくなる。

私のせい?つい泣きかけた私が悪いの?

別に狙ったわけじゃないし。