その昔、わたしがまだ姫と呼ばれていたころの話。 あるとき、見知らぬ男から『月の歌』が届いた。 悪戯だと思って、無視した。 翌日、また届いた。 この星の誰よりも君のことを思っている、というような嘘っぽい歌。 返事はしなかった。 三日目。 また来るような気がして、待っている自分に少し驚く姫。 果たして、男から届いたのは、『三日月の歌』。 朔から数えて三日目の夕方、シャンパンゴールドに輝く細い儚げな三日月が西の空に架かっていた。 三日月の歌を、三日によこすセンスに姫は惹かれた。