トイレに駆け込み個室のドアを閉める。




――なんのためにこの学校に入ったんだろう?




そんな思いが頭を掠める。


愛里と一緒にいたくて、ここまで頑張ってきたのに……


本当はいつもまとわりついてる私がうっとおしかったのかもしれない。


だからわざと部活にも入る気になったんだとしたら……


私はこれからどうしたらいいんだろう?


溢れる涙をハンカチで拭いながら、昼休みの終わりを告げるチャイムの音を、私はただぼんやりと聞いていた。


早く教室に戻らなきゃいけないと思ってるのに、体が動かない。


入学したばかりでサボりとか、怒られちゃうかな?


そう思った時、外から声が聞こえてきた。




「美羽?いるんでしょ?

もう、授業始まるよ?早く出ておいで

恥ずかしかったら、私が一緒に行くから、ね?」




愛里……やっぱり愛里だ。


私はトイレのドアを開けて、外へと飛び出した。


目の前の愛里にそのまま抱きつく。




「ごめん……私、大丈夫だから……

ちゃんと一人で帰るから……

だから、愛里……嫌いにならないで?」