という前世の記憶を、先ほど間抜けにもバナナの皮を踏んで素っ転んだ拍子に思い出した。
現在、八歳。美人な母親によく似た美貌を持ち、周りに持て囃されて、蝶よ花よと育てられ、高慢でワガママな性格に育ってしまった。
このような性格のアタシとでも仲良くしてくれる友人、エリザベスと共に街へ出かけた際、この世にまたとないイケメンを見かけてはしゃぎまくり、興奮しながら逆ナン紛いの性質の悪い詰め寄り方をして、冒頭の阿呆みたいな失態を晒してしまったのである。
先ほどの転倒の際、頭を強く打ってしまったためか、思考が徐々に遮られていく。
そんなことよりも重要な問題がある。
衝撃の事実に頭が追い付いていない。
だって、アタシは……私は。
前世では生粋のゲームオタクな女子高生だったのだから。
(年齢足したら……なんて、考えたくもない)