「では、これより第一回悪役脳内会議を始めます。今回の議題は『ロナルド・A・テイラーとの接触回避』についてです。皆様、何か良い案をお持ちではありませんか?」
「はい! 議長、我々魔力を持つ者は、十五歳になれば強制的に魔法学園へ入れられてしまいます。ロナルドと私は同い年。今は大丈夫でも、後の学園での接触の可能性が高いです!」
「なるほど。では、学園での接触の可能性をより低めるための案を考えましょう」
「議長、それならまず顔や髪を隠してしまうのはどうでしょうか? 髪にメッシュ、これだけでも属性の三つ持ちであることがわかってしまいます。属性の三つ持ちは目立ちます。そのステータスだけで目をつけられてしまう危険性があります」
「確かに、悪役1さんの言う通りです。ましてや、今まさに記憶に残りやすい絡み方をしてしまったところ。私の外見の特徴は覚えられてしまっているはず。これは採用ですね。
ですが、これだけではまだ決定打にはなりません……。
どなたか、他に良い案を思いついた方はいらっしゃいませんか?」
「議長! 見た目を隠すなら、使う属性も一つか二つに絞るべきです。それに、うまく使いこなせすぎると返って目立ちます。ある程度下手なくらいがいいんじゃないでしょうか?」
「ちょっと待ってください。属性を絞る、という点には賛成できますが、下手であることが周りに知られると、今度は一般生徒からの非難を浴びるかもしれません。魔法学園は優秀な者が集うところ。元々周りのレベルが高いなら、少し上手いくらいの方が返って目立ちません」