私は涼のスーツの袖を引っ張る。


「?!?!?!梓…さん??」


我慢できなかった。

私は泣きながら聞いた。

「…さっきの……彼女?」

「…気になります??」

「………」

私は「うん」とは言えなかった。。。

「すっと、ご飯行こうって誘われていたんです。
 俺、梓さん居るからって断ってたんですけど、別れちゃったしもうヤケクソで。。」


「……戻るの?」

「………戻って欲しくないですか?」


あの人に涼を取られる。。。
そう思うと絶対に行って欲しくなかった。


私は涼に抱きついたまま、顔を見ずに頷いた。


涼はびっくりしていた。

「…梓さん……あいかわらず素直じゃないですね」

そう言って笑っていた。

「………ごめん…なさい」

涼は私をそのままそっと抱きしめた。