後ろから抱きしめられるように、小坂先輩がネコをわたしから離してくれた。 「ほら、取れた。」 あまりにも近くて、ドキドキしてしまった。 耳元で聞こえる 先輩の声。 先輩の優しい香り。 わたしの首筋に先輩の柔らかい髪が当たってくすぐったい。 「あ、あ、ありがとうございますっ」 わたしの顔は真っ赤だろう。 「ほら、行くよ。ひな」 そう言って、わたしの手を引っ張って歩き出した。