昨日から寝付けず、頭がぼーっとする。

まさか、啓ちゃんが同じ大学で、しかも同じ学科にいただなんて…!

啓ちゃんは、隣のクラスにいるのだと 華奈子に教えてもらった。


夢を見ているのだろうか。

ほっぺたを思い切りつねる。

「いたたたた…っ」

夢じゃない。

午前5時。
いつも通りお弁当を作る。

今日は3コマまであるから、お昼ご飯は必要。



そして、お弁当を作り終えると、いつもより時間をかけて、洋服を選ぶ。
もしかしたら、啓ちゃんに会えるかもしれない。少しでも可愛くしていたい。

いつもカジュアルな服を着ているけれど、今日は思い切って甘めのワンピースを着てみる。
ベースが茶色で、ピンクと白の小さなお花が散りばめられている。
靴は、あまり履かない ミュール。

まるでデートに行くみたい。



……よっし。
鏡で最終確認をして、家を出た。