【 啓太 side 】

俺の初恋は、小学6年生の時。
仲が良かった女の子に。

でも、その恋は実らず、お互い中学校に進学。
小学生の頃から可愛かった君は、中学校に進学すると、さらに魅力的な女の子になっていた。

外部から転校してきた男子たちが、「佐野さん可愛い」と騒ぎ出し、それを見ていた女子が嫉妬。
そこから、ひなへのイジメが始まった。

ひなを助けたかった。手を差し伸べたかった。けれど、俺にそんな資格があるのだろうか。
中学校に進学してから、1度も話してない俺が助けたら、変に思われるのではないだろうか。

自分の弱さに負けて、俺はただただつらい思いをしている ひなを陰から見守ることしか出来なかった。手を差し伸べることが出来なかった。

そして、3年間。
同じクラスになれず、話すきっかけがないまま、卒業。