わたしの頬に涙が伝わる。
止まらず溢れる涙。

「やっぱり、中学の頃の嫌な思い出が残ってるか…。ごめん。会うのつらいよな…」

眉毛を下げて、つらそうな顔をしている 啓ちゃん。

違うの。会えて嬉しいの。ずっと会いたかった啓ちゃんに会えて、嬉しくて泣いてるの。

言葉に出来なくて、ただ首を振るだけのわたし。


「……俺のこと、覚えてる……?」

恐る恐る聞いてくる 啓ちゃん。

忘れたことなんて1度もない。
わたしの心の中、頭の中には、いつも啓ちゃんがいた。