「わたしは、松乃 滋(まつの しげる)。そして、こちらは、妻の由恵(ゆきえ)。どうぞ、よろしくね。ひなちゃん。」

マスターと由恵さんに大歓迎され、わたしの人生初のアルバイトが始まる。


「でも、今日はお客さんなんだから、ゆっくりしていってね。」

由恵さんはそう言うと、マスターと2人で明日の仕込み作業を始めていた。



店内に流れるジャズの心地よい音楽。
店内に香るコーヒーのいい香り。
チクタク チクタクと時計の針の音。

全てが心地よくて、この場所を大事にしたいと感じた。