「「ミルクティー1つください!」」
お互いの声が重なった。
「仲がいいんだね。ミルクティーお2つ、ご用意します。」
微笑みながらそう言って、マスターはミルクティーの準備を始めた。
他のお客さんがいなくなり、店内にはわたしたちだけだからか、おばさんがこちらに来て、話しかけてきた。
「ねぇねぇ、お2人さんは、どこかでアルバイトしていたりするのかしら?」
「ちょっと、由恵。初めてご来店のお客様に失礼だよ。」
真っ先に止めるマスター。
「わたしは、近所のスーパーでアルバイトしています。」
知らなかった!華奈子ちゃん、もうアルバイト始めてたんだ……!
「わ、わたしはまだなんです…」
アルバイトのことは、全く頭になかったから、探してもいなかった。
すると、おばさんの表情が ぱあっと明るくなり、
「あらまぁ!それなら、もし良ければ、ここで働かないかしら?おばさんね、もう歳でメニュー表すら読めなくなってきちゃって…」