あっという間に講義が終わり、2人で学食に向かった。

「あ、電話かけてもいい?」

そう言って、華奈子ちゃんは誰かに電話をかけ始めた。

「〜 そうそう。あ、それで、今、学食に来られる? ひなちゃんも一緒なんだけど。…………え?忙しい?それ嘘でしょ?心の準備が〜とか……」

わたしの名前が出ている。
誰と話してたんだろう。
周りが賑やかだから、電話口からの声がここまで聞こえてこない。

「あっそ。じゃあ、今度は絶対ね。」

そう言って、電話を切った。


「お待たせ〜!ごめんね、ひなちゃんと同中だったって話した、高校の友達、用事できちゃったみたいで。また今度会わせるね!」

「あっ!それって誰のことな…」

華奈子ちゃんは、わたしの唇を人差し指で軽く抑えて

「会うまでのお楽しみに〜♪」

教えてくれなかった。