近藤が、わたしを入学式の時に助けてくれたのは、その好きだった子のことを、助けてあげられなくて、後悔していたから。

その子に会うまでに、少しでも、優しい人になりたかったから。



そう聞いていた。




だから、今度はわたしが 近藤の代わりに ひなちゃんを助ける番。



差し出した手は振り払われてしまったけど、ひなちゃんなら大丈夫。
わたしと似ているなら、きっと仲良くなれる。そう根拠の無い自信があった。

そして、わたしが恋のキューピッドになろう。
助けてくれた近藤に恩返しをしよう。


それが、大学生活でのわたしの目標。




【 華奈子 side】Fin