それから、あっという間に大学の入学式。

引越ししたり、入学式の準備をしていたら、春休みが足りないように感じた。

わたしたち3人で揃って、入学式会場に向かう。

「ねぇ、“ひなちゃん大好きマン”。ひなちゃんってどんな子なの?」

「前から気になってたんだけど、なんだよ、その呼び方。……ひなは、中学の時に色々あって…、高坂と同じ感じ。だからってわけじゃないけど、高坂とひなは仲良く出来るはず。」

……わたしと同じということは、いじめられてたってわけね。そりゃあ、あんなに可愛かったら、他の女子は嫉妬しちゃうんだろうな。

「……でも、悪い人じゃないんだ。真っ直ぐで、純粋で、触れると すぐに壊れてしまいそうで…。俺が守ってあげたい。だから、俺が近くにいないとき、ひなを守って欲しい。」

あまりにも真っ直ぐな目で言うものだから

「もちろん。お守り致しますとも。“近藤”。」

いつもの“残念なイケメン”“ひなちゃん大好きマン”なんて言えなかった。

本当に、ひなちゃんを大事にしているんだって伝わってきた。