模試の休憩時間、わたしはわざとひなちゃんの方にある時計を指さして
「ねぇ、今何時ー?目が悪くて見えないんだよねぇ!」
と、彼に聞いた。
「ちょっ!バカ!余計なことすんな!てか、そもそもお前 目悪くないだろ!!!」
小声で反抗してくる彼。
一方、その“ひなちゃん”は、次の英語の試験に向けて、リスニングをしているようで、イヤホンをしていた。
試験前に記入した志望校用紙が机にのっている。
チラリと見ると
「ねぇ!わたしたちと同じ隣県の大学で、同じ理学部だってよ!」
見る見るうちに、真っ赤になる 彼。
「わ、分かったから……これ以上は黙ってて……」
照れながらもそう言った彼の目は本気だった。
ひなちゃんは、周りにいる生徒会メンバーとカフェに向かっていた。
ひなちゃん、カフェ探しが大好きなんだ…!
わたしと同じだ……!
いつの間にか、わたしもひなちゃんが気になっていた。