「はぁーっ!オリエンテーション長かったねー!」

そう言って背伸びをする 華奈子ちゃん。

「本当に長かった〜!大学の先生って、なんであんなに話が長いんだろ?」

「何でだろうねぇ?おしゃべり好きなんじゃないかな?」

なんて言いながら、2人で笑い合う。



「あのさぁ!ひなちゃん!もし良ければ連絡先教えてくれない??」
「俺もー!」
「おれも!」
「俺も知りたい!」

突然、1人の男の子から聞かれると、一斉に連絡先を教えてと言われる。

「え、えと、その……」

タジタジしているわたしの前に来て

「はーい!男子諸君!そんなにひなちゃんの連絡先を知りたいなら、ひなちゃんの高校の生徒会メンバーよりもカッコよくなって、出直してくることーっ!」

華奈子ちゃんが助けてくれた。


「え、あの、華奈子ちゃん……。あの3人、そんなにカッコよくないよ……?」

ぼそっとつぶやくわたし。

その声をみんなは聞き逃さなかった。


教室全体に、盛大な笑い声が響いた。

「ちょ!ひなちゃん、案外言うこと言うねぇ!笑」
「ふわふわしてるだけかと思ったら、面白いじゃん!」
「ひなちゃん、生徒会メンバーがイケメンじゃないって言ったら、他の俺ら 住む世界が違くなるわ!笑」