｢あ、あの……華奈子ちゃん……わたしね……｣
華奈子ちゃんに嫌われる前に、あの噂について話しておこう。
大切な友達にしたいから。
｢あ、もしかして、噂のことー？ひなちゃんがお姫様だって騒がれてること、知ってるよ！｣
｢も、もし、こういうの嫌だったら、わたしから離れていいから……ね……？｣
傷付ける前に言っておこう。
嫌われる前に自分から距離を置こう。
｢なに言ってるの？王子様役、わたしじゃ頼りない？だよねー、やっぱり王子様はイケメンがいいよねー｣
｢……？え……？｣
｢なぁんてね、冗談。わたしね、高校の友達にひなちゃんと同中の子がいて、その子から ひなちゃんのこと毎日のように聞かされてたの。｣
｢ど、どんな話……？｣
中学生の頃のわたしは、みんなに知られたくない。『いじめられっ子』のレッテルが貼られたわたし。
恐る恐る聞く。
