「おはよう!」

さっきとは明らかに声のトーンが違う。
……女の子だ……

「おおおおは……」

振り返りながら言いかけた。


「き、昨日の……」

昨日、入学式会場でわたしに手を差し伸べてた女の子だった。

黒髪ロングで、背が高い。
そして、何よりもべっぴんさん。

「昨日はごめんね?びっくりさせちゃったよね?」

「え!あ!いえ!!わたしこそ、手を振り払っちゃって、ごめんなさい……」

深々と頭を下げる。

「気にしないでー!わたし、高坂 華奈子(こうさか かなこ)!よろしくね!」

手を差し出された。

「よ、よ、よろしくね!わたし……」

「佐野ひなちゃんだよね!」


自分で名乗る前に、言われちゃった。