新しい白いスニーカーの紐をきつく結び直し、気持ちも一緒に引き締める。
「よっし!昨日は友達が出来なかったから、今日こそは…!」
……と意気込んだものの、
「ひなちゃん!おはよ!俺、同じ理学部の〜」
「ひなちゃん!仲良くしてね!俺 〜」
朝から門をくぐるなり、声をかけられる。
噂の内容を知り、わたしが悪いことをしたわけじゃないということが分かり、少し気分が晴れたものの、やっぱり女の子の目が怖い。
これじゃあ、中学生の頃と同じになっちゃう。
けれど、無視をするわけにもいかず、
「お、おはよ〜」
挨拶をする。