「あ、アンタ 入学式出てないよな?これから何かとあるかもしれないから……」
はい と出された スマホの画面。
そこには、先輩の連絡先が書いてあるQRコードが表示されていた。
「え?」
キョトンとするわたし。
「ほら、早く読み込めって。何かあったら何でもいいから連絡して。」
ピロリン と音を立てて、わたしの連絡帳に小坂先輩の連絡先が登録された。
「あの、わたし、初対面ですよ?大丈夫ですか?」
初めてのことで戸惑うわたし。
初対面の相手に連絡先を教えるだなんて、小坂先輩 実は女遊びが激しかったり…?
さっきの すぐくんに似てるって言ったの、撤回!
すぐくんは、女遊びなんて、しない……!
「今、頭のことで俺のこと、悪く思ってるだろ?…まぁいいや。信用されてないみたいだし、アンタの連絡先聞かないから安心して。」
じゃあ と右手を軽くあげて、小坂先輩はこの場を去った。
さっきの発言、取り消し!
小坂先輩の優しさ、すぐくんの優しさと似てる。
大学で自分の居場所を見つけた気分だった。