高校で取り戻した、わたしのキラキラした青春。
それをまた、大学で汚したくない。
もうあんなにつらい思いをしたくない。
やっと見られた光、自分をさらけ出して受け入れてくれた仲間、行きたかった大学。
楽しく過ごしたい。
その場にうずくまり、両手で耳を塞ぎ、静かになるのを待つ。
やっぱり女の子がいるところは怖い……
早く3人に会いたい。。。
すると、突然 後ろから肩を優しく叩かれた。
涙を溜めた目を開けると
「大丈夫?」
そう優しく言って、わたしの手を握ってくれた女の子がいた。
女の子、怖い……!!!!
「だ、だ、大丈夫ですからっっっ!」
勢いよく バッと手を払う。
入学式早々、人を傷付けてしまった。
「ごっごっごめんなさいっ」
そう謝って、わたしは入学式の会場を飛び出した。
なんで、こんなことになってるの。
そもそもこんな変な噂作ったの誰なの。
お姫様って何よ!
構内の場所も分からないのに、勢いよく飛び出して走ったからか、自分の居場所が分からない。
「……こ、ここ、どこ……?」
急に不安に襲われた。
辺りを見渡すと、小さな花壇がいくつかあって、わたしの足元は芝生だった。
ここは……中庭……?
オシャレな噴水があって、とても落ち着く場所。
……入学式出なくてごめんなさい……
仕事が忙しくて入学式に来られなかった両親に、心の中で謝り、入学式が終わるのをここで待つことにした。