「俺、柴田 始(しばた はじめ)!ひなちゃんは、あのイケメン3人に囲まれた生徒会のお姫様って有名だよ!」
「えええええ、わたしお姫様じゃないですし、そもそもあの3人はイケメンじゃないっていうかなんというか……」
極度の人見知りスキル:息をする間もなく早口で話す。
「はははっ!ひなちゃん、言うこと言うねぇ!でも、ひなちゃんは、本当にお姫様みたいだ。」
その声が周りに響いたのか
「わ!隣県のあのひなちゃんがいるよ!」
「本物マジ可愛い……」
「リアルなお姫様だ」
「そりゃあ、ひなちゃんの高校の男子たちが騒ぐのも分かるわー!」
騒ぐ男の子たち。
「どの子が“ひなちゃん”ー?」
「え!あの子なの!?」
「同じ大学なんだー!」
興味津々で集まってくる女の子たち。
えええ、なにこの感じ。
入学式早々泣きたい……
注目しないで…
そもそもなんでそんな変な噂が流れてるの…。
中学生の頃の嫌なことを思い出してしまって、目の前が真っ暗になり、周りの音が聞こえなくなってきた。