「でも、本当にひなって背が小さいよね〜。153cmだっけ?」
「違う!154cm!!!すぐくん、これ以上わたしの身長縮めないで!1cm大事!」
180cm近い彼らには、この1cmは大したことがないんだろうけど、わたしには大きい1cm。160cmを夢見てきたわけだけど、遥か遠く…。
「ほらほら、153cmちゃん。あなたの大好きなカフェ探しに行きますよー」
「だーかーらー!154cm!まーくんもバカにして!!」
ワイワイしながら、模試の教室を後にした。
隣に座っていた君に話しかける勇気すらなく、それ以前に気付かれもせず……
絶対 合格するからね。
君がわたしの志望校を受験すると確信はないけど、少しの可能性をかけて、残り1ヵ月、頑張るから。
だから、もう1度 あの頃に戻らせてください。