「おい。迅、何やってんだー?」
「おー透に鳴海に一志じゃねぇの。今、未麻と雑談ちゅー」
「はぁ?お前、まだ帰ってなかったのかよ?」
まさか、出待ちか?と言わんばかりの由井せんぱいの視線にたじろいでいると、それを神谷せんぱいが庇ってくれた。
「未麻は可愛過ぎて、悪い虫にナンパされてたんだよーん。それを俺がヒーローの如く助けてたってわけ」
「…マジか?」
「……はい」
「まぁまぁ、透。そんなに目くじら立てんなよ。未麻ちゃん、びびってんじゃん。大丈夫だった?怪我ない?」
そう、言葉を掛けてくれたのは、羽鳥鳴海(はとりなるみ)せんぱい。
五人の中でも、一番頭脳派で、いつも冷静沈着だって聞く。
…その分、切れたら一番ヤバイとも言われているけれど。
「はい。大丈夫です…神谷せんぱいがいてくれたので、一切怪我とかなかったです」
「そ、ならよかった。迅の偶には人の役に立つんだな」
「ちょっ、それはなくねぇか?!」
「はははっ、言えてる言えてる」
「一志まで!ひでぇぞ!」
「はっ。面倒くせぇな」
「透はもっとひでぇー!!」