「神谷せんぱい?!」

「おー。未麻、大丈夫だったかー?」


驚いて名前を呼ぶと、それまでとは違って二カッと笑うのは神谷迅(かみやじん)せんぱいだった。


なんだか、今日は、晴嵐高校の問題児…基、格好良いせんぱいばかりと出会う…。

そう思って、ふと…。



「なんで、名前知って?!」

「あー?だって、有名じゃん、お前」

「どうしてですか?!」

「中学ん時から文化祭でバンドしてたら、バンド好きにゃ名が知れてんだろ」

「え…なんでそれ…」

「だってぇー。俺、未麻の中学のせんぱいだもーん」



神谷せんぱいは、そういうと楽しそうに笑った。


そういえば、尾上せんぱいも由井せんぱいも、この神谷せんぱいも…私の名前知ってる…。


「じゃ、じゃあ…」

「あぁ?あー…鳴海も薫も知ってる…つーか…」

「えぇ?!」

「くくっ驚くのはえぇよ。お前、予想以上に面白いのな」


ニカニカと笑う神谷せんぱいは、他にも何か言いたげだったけど…。