私は、外に出ると物凄い人数のファンが残っているのを見て、出待ちすることは諦めた。


さっきみたいに、人混みに飲み込まれるのは真っ平だったから。


勿論KAZUには逢いたいけれど…でも、やっぱり…あれだけハードなライヴの後だもん。

私なら、ライヴが終ったらすぐにでもモードをオンからオフにしたい。

だから、彼が疲れてしまう様な事は出来るだけしたくない。


そう思って、ひんやりする風の中、誰もいないであろう家へと帰ろうとしたんだ。


でもそこに、嫌な感じの声を掛けられ邪魔を受ける。



「ねぇねぇ?そこのキミさ、一人?何、一人でAvidのライヴに来たの?じゃあさ、一緒にこれから遊びに行こうよ?」

「いや、連れがいるので…」

「ウソだー。だって、俺見てたもんね。ずっと一人だったじゃん?ね?いいじゃん、遊ぼうよ?」