こうして家族は引き離され、リーナの母はネペンテスの側室に迎えられた。

しかし、リーナの母は夫と別れさせられた上にリーゼを養母に取られ、ネペンテスの無理に付き合わされ、次第に心を蝕まれ、まるで魂を抜かれたような、生きる人形と化してしまった。

リーナは誰もが欲しがるような姫になる様、ありとあらゆることを躾けられた。これは全て、最高の政略結婚の道具にするためだった。
どんな相手にも気に入られる様に、、、
ダンスや教養を持ち合わせるだけでなく、料理に掃除、男性の喜ばせ方、全てにおいて、、、多岐にわたる躾にも挫けず、リーナは一生懸命に学んだ

厳しく辛い状況にあっても、リーナは片時も母のことを忘れなかった。
時間を見つけては母親の元に会いに行き、少しでも母を元気付けることがリーナの生き甲斐だった
母リーゼにとってもど娘の存在が唯一の心の支えであった
どんなに心を蝕まれていても、リーナが訪ねてくる時だけ優しく美しい昔のリーゼに返えるのであった