ワイマール王国は現国王ネペンテスの恐怖政治によって支配されいた。
このネペンテスという男は冷酷非情の悪魔のような人物であった。
歯向かう者がいれば刑に処され、民は重税を課せられ食べるのがやっとの生活を送っていた。

そんな中、リーナの父、フィリップは医師で、この国一番の美人看護師と評判のリーゼと出会い結婚し、リーナを授かった。
代々医者の家系のフィリップは実家の病院で働く傍らリーゼと2人で小さな診療所を作り、貧しい民のため、少ない報酬で医療を提供していた。


それがネペンテスの耳に入り、リーナの家族は囚われた。

「非常に気に食わない。この国では医療は一律の料金制度をとっているにもかかわらず、お前たちは違法な料金で民に医療を提供していたそうじゃないか。」

「申し訳ありません、国王陛下」

「患者を独占しようとでもしたのか?」

「なっ、、、そんなつもりはございません。少しでも皆のためになればと思ったのです」
父がそう答えると、ネペンテスはニヤリと笑いこう言い放った、、、

「私の決めた制度が気に入らないとな。王に歯向かうその危険な思想は見過ごせないなぁ。処刑だ、処刑。久しぶりだなぁ処刑は。楽しみだぞ。ハハハッ」
ネペンテスの笑い声が宮殿に響く中、リーナの母がネペンテス王の前に立ちはだかった。
「ネペンテス様、民はこの重い税で食べるのもやっとなのです。国の決められた診療報酬は私たち一般市民が払えるような金額ではないのです!どうか考えを改め下さい」

「ほう。女で私に歯向かう者は初めて見た。面白い、女、なんなんと申す」

「リーゼ、リーゼ・ハインツでございます」

「気に入った、リーゼ、お前に免じて夫の処刑をやめ、国外追放に止めよう。その代わり、お前を私の側室に迎える。お前の娘も大きくなったら美しくなるだろうな。私の養子にしよう。政略結婚のいい道具になるだろう。」

「こ、国王陛下!!!それはどうかおやめください、私から妻と娘を奪うおつもりですか!!!」

「ハハハハハッ、そうだよハインツ。さぁ誰か、この男を連れてってくれ」