「ったくもう!」


『あ、ほら、チョコビスケットあげる!』


「わ!やった!」


『…ははっ、ちょろ』


「なっ!」



長年一緒にいるから、もちろん互いの性格をよく知る。


いい意味でも、悪い意味でも。


俊稀は陸上部の棒高跳び選手だ。


跳べない日はとことん跳べなくて、その度に『向いてねー。辞める。』の繰り返しで…


意地っ張りで、棒高跳びだけはいつものヘラヘラが無くなって…


「で、今日も練習?」


『当たり前〜』


「あたし今日は行ってあげないからねー!」


『は!?なんで!?え〜…』



今日は画用紙等々を買いに行く。


あたしは美術部に入ってて、依知花は料理部。


放課後はそれぞれの部活で分かれちゃうけど、あたしは外で絵を描くタイプだからよく俊稀の練習を見に行く。



「明日見に行くからさー…ね?」


『絶対な!』



お、笑った!


俊稀は高く沢山跳んで記録を伸ばしてほしい。


後、単純に辞めさせたくない…